水の妖精 睡蓮と蓮の世界

ハスの育成・交配の歴史

 ハスの栽培は日本でも中国でも、かなり古くから行われてきた経緯もあり、また簡単に自然交雑してしまうため、厳密には品種数も多くなっている(江戸時代にすでに100種近くが確認されている)。そのため、ハスの原種がどれなのか、またそれが現存しているのかも不明である。日本でも非常に古い時期のハスの化石が発見されていることから、かなり昔から存在していたことは間違いないようだ。

 近年、ハスを有名にしたのはやはり大賀一郎博士(1883-1965)による大賀蓮(別名:2千年蓮)の発見だろう。1951年(昭和26年)に千葉県検見川東京大学グランド(現在の東京大学検見川総合運動場)地下より3粒の種を発掘し、発芽、育成に成功したもので、後の鑑定により、約2000年前の種であることが確認された。このハスは翌年見事開花し、「大賀蓮」と命名された。大賀蓮は現在でも各地で栽培され、その優雅な花姿は夏の風物詩として多くの人の目を楽しませている。

 

大賀ハスのことをもっと知りたくて借りた本なのだけど、何度聞いても何度読んでもうっとりするエピソードだなあ。映画ジュラシックパークの元ネタはこれなのでは?と断言したくさえなる。