2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ゲイルズバーグの春を愛す「おい、こっちをむけ!」

しかし心配することはなかったのだ。わたしや誰かが彼の本についてどう考えようと、マックス自身はすこしも気にしていないことがすぐにわかった。彼はいつか、わたしでも誰でもマックス・キンジェリーは偉大な作家であると言わざるを得なくなる日がくると信…

獄中記

生きてゐるうちに、「自己の魂を自分のものにする」人々が餘りにも少ないのは悲劇的なことである。エマスンは「如何なる人においても自らの行為ほど稀れな尊いものはない」と言つてゐる。全くその通りである。大抵の人々は他人の生活をしてゐる。彼等の思想…

獄中記

悲哀のあるところには聖地がある。いつか人々はこの意味を身にしみて悟ることであらう。それを悟らないかぎり、人生については全く何事も知ることが出來ない。××君やさういつた性質の人ならこの意味がよく分るはずだ。私が獄中から引き出され、二名の警官に…

隣のイラン人「イランの感性」

神戸の大地震があって一月ほど後のこと、「災害地へ行っていたの?」と聞かれた。若い人ならともかく、私のような年齢の者がいっても足手まといになるばかり。「行かなかった」と答えると、彼はめったに見せない失望の表情をした。 「行って、罹災した人たち…

隣のイラン人「イランの感性」

カップルという観点でとらえたら、アメリカの夫婦は日本の夫婦よりはるかに強い。たとえば結婚した男女の親友はやはりその男女の共通の親友となる。一緒に食事をする、酒をのむ、映画にいったり旅行したりするのは全部カップル単位だ。ところが日本やイラン…