愛の妖精(プチット・ファデット)

 「きっとそう来るだろうと思ってたわ。ちゃんとわかってたのよ、あなたは二言目にはランドリーさんの不平や悪口を言わずにはいられないんだから。それっていうのが、あなたのランドリーさんを思う気持があんまり気違いじみてむちゃくちゃだから、何かっていうとすねたり恨んだりしたがるのよ。だから、気違いになりかけだって言うんです。気立てがよくないって言うんです。じゃあ言ってあげますけど、ランドリーさんはあなたの何千倍もあなたを思ってるのよ。その証拠には、あなたがどんなひどいことをしても、あの人は黙ってるじゃないの。それを、あなたの方はあの人のすることなすこと不平ばかり言ってるんだから、いつでもあなたの言いなりになってきげんばかりとってるのに。これじゃ、どうしたってあの人の肩がもちたくなるわ。だから、ランドリーさんがあなたのことをよく言えば言うほど、あたしはあなたを悪く思うのよ。だって、あんないい弟さんがわからないなんて、よっぽどひねくれた人でなきゃ、そんなはずがないと思うからよ。」

いつもながら、すごく反省させられる。


愛の妖精 (岩波文庫)

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