かくされたオランダ人 - 書き抜き帳２号

　ドールンのむねは高なった。しかし、すでに三十四歳のかれは、そろそろお嫁さんをもらおうと思っていたときだ。日本へいったのでは、いくつになったら帰れるかしれない。日本へいくと聞いては、お嫁さんになってくれる人もいないだろう。

　かれは、ためらった。

ドールンが生涯独身だったというのは確かに事実かもしれないが、この憶測200パーセントとしか思えない心情描写はどうにもいただけない。と思う。