赤ちゃんの歴史

 当時の事故のうちで特筆すべきものに圧殺があった。赤ん坊を押し潰して死なせることである。多くは両親、とくに母親と同じベッドで寝ることで起こる事故なので若干の教会では乳児の添い寝を禁止していた。この措置は乳児への夜間授乳を妨げる結果となった。ここで注目すべきは、この圧死が単なる事故ではなく経済的理由による意図的な嬰児殺しである場合が少なくなかったことである。今日の科学的研究によると、添い寝をしている母親が寝返りしても赤ちゃんを押し潰すことはあり得ないことが分かっている。昔の母親とて同じであろう。実際にこのての事故死、というよりは嬰児殺しの対象となった新生児には奇形児や私生児が多かった。

 まだ新生児の我が子とは生まれた当日から(病院の方針もあって)ずっと添い寝をしているのだが、見舞い客が一様に「つぶさないように気をつけてね」と言うので少し不安に。とか言いつつベビーベッドの用意はしていなかったので、退院して帰宅した後もそのまま同じ布団で添い寝。これまたお手伝い等に来てくれたひとたちから「つぶさないようにね」。

…そんな折にこれを読み、ホッとした。てゆーか、赤子のみならず誰かと一緒に寝ていて「無意識に身体を重ねてしまった」なんてことは誰にせよまずないだろ!と思う。

 

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