先天異常の医学―遺伝病・胎児異常の理解のために
精子形成のときは、男性細胞のすべてにあるX染色体とY染色体は、別々の精子に入るから、精子では、X染色体の入ったものと、Y染色体の入ったものと二種類ができる。しかし、卵子では、女性細胞のすべてにある父親由来と母親由来の二本の染色体のうち、どちらかを含んだものとなる。X染色体しかもたないという点では同じ種類である。
受精卵は、精子と卵子から性染色体を一本ずつもらうわけだが、精子からもらったのがYなら卵子からのXと合せてXY、つまり男の子となり、一方、精子からもらったのがXなら卵子からのXと合せてXX、つまり女の子となる。そう考えると、二種類の精子のうち、どちらが受精したかで性別が決まるといえる。つまり、子の性別は、男親が決めるのである。
言われてみればその通りだよなぁ。でも実情としては「男児が生まれないのは嫁が女腹のせいだ」とされてしまうこと多々なのだからやるせない。そもそも「女腹」という言葉があること自体がおかしい。
先天異常の医学―遺伝病・胎児異常の理解のために (1982年) (中公新書)
- 作者: 木田盈四郎
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1982/02
- メディア: 新書
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