2007-10-07 青春かけおち篇 横を見ると、しのぶはまだスヤスヤと眠っている。 ちょうど浜名湖のあたりだろう、遠くの闇の中に漁火が浮かび、それがチラチラとゆれていた。 しのぶが目を覚ましたのは、名古屋をすぎる頃だった。 「起きてたの」 「うん」 「ずっと寝顔を見続けてくれたの」 「うん」 「嬉しい」 「男として当然のことだよ」 どこがどう「男として当然のこと」なのか、私にはさっぱりわからん(しのぶの喜びもわからん)。 青春かけおち篇 (角川文庫 (5942)) 作者: つかこうへい 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 1984/12 メディア: 文庫 クリック: 1回 この商品を含むブログ (3件) を見る