隣のイラン人「イランの感性」

 カップルという観点でとらえたら、アメリカの夫婦は日本の夫婦よりはるかに強い。たとえば結婚した男女の親友はやはりその男女の共通の親友となる。一緒に食事をする、酒をのむ、映画にいったり旅行したりするのは全部カップル単位だ。ところが日本やイランの友だちは結婚しても男女別々だ。妻の友人たち夫の友人たちはそれぞれ別々になる。アメリカでは結婚した人が独りで他の家を訪問するのはみっともないと思われる。いつも夫婦が一緒だね。

 でもぼくはこのアメリカ方式が好きだよ。なぜってウチの父と母がそうだったからだ。ぼくの父は自分だけの外の友人は少なかった。父はだいたい母と一緒にいたね。買物やお客に呼ばれる時もいつも一緒だった。ぼくのウチの父や母のようなのはイランではめったにいなかった。ぼくらはいつも小さな町でくらしていたが、父は考え方や子供の教育の点でとてもモダンだったと思う。父は家の外に自分だけの友人をもったり、母を混じえない(ママ)でオシャベリしたりするのは、あまり好きではなかったようだ。

こ、この父親の交際スタンスは!と思い、夫にこの部分を読んでみた。やはり「あー、オレと同じだ」といった感想だった。 私は「いつも二人で」でもよいと思うし、実際のところ互いにそのような感じで付き合い続けているカップルや家族が多いのも事実だが、でも個別に外に友人をもったとしてもよいのではないかなぁ。それはそれで世界が広がるというか大事なことなんじゃないのかなぁ。とも思う。


隣りのイラン人

隣りのイラン人