鳥のように獣のように「紀州弁」

一人の小説家に、この風土とは、何なのだろうか、と思う。すぐ喧嘩腰に物を言う。人が、右と言えば、「左」と条件反射の如く反対意見が口をついて出る。キメ言葉を吐きたくて、うずうずする。十九歳の頃から、小説を書きはじめ、同人誌「文藝首都」に原稿を持っていった頃、さながらぼくは、この風土でつくりあげられた申し子のようなものであった。喧嘩につぐ喧嘩、毒舌につぐ毒舌だった。なまいきだった。あう人ごとに、そう言われた。心外だった。

本来は笑うべきどころではないのだけど、どうしてもKさんの顔が浮かんできてしまい爆笑。


鳥のように獣のように (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

鳥のように獣のように (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)