阿修羅ガール

 私も可哀想過ぎるの一歩手前だ。一歩手前だけど、ほとんど可哀相過ぎるの域だ。私は自分を憐れんじゃう。でもどんなに憐れんでも、それが全部自分でまいた種だから救いようがない。憐れむしかないけど、憐れまれたって救われない。それに誰も、別に私なんて救ってくれない。

 だから自分で自分を救わないと。

 それにはどうしたらいいんだろう?

 まず自分を憐れむのはやめよう。

 お兄ちゃんが前に、レンタルビデオ屋のエロビの話とは別のときに、確か、「自己憐憫が一番タチわりーんだよ。うじうじ腐るだけで前にも上にも進まねーから」とか言ってた。

つまらん小説にでもよい一節はあるんだな。と思った。


阿修羅ガール (新潮文庫)

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