お産の知恵
稲生正治(1607~78年)は、大阪の人で、彼の著した『螽斯草』は、「胎教」、「保養」、「順産」「産後治療」、「祈祷」などの項にわけて書かれています。
胎教のだいじなことは、古くから説かれていますが、この本には、「妊娠中は仰向けに寝るときは枕を高くして、膝を立て、足の爪先をそろえなくてはいけない。横に寝るときは、枕の高さをほどよくして、下側の足はのばし、上側の足はかがめ、下側の手は乳のそばに乳房を抱くように、上側の手は脇腹の上へのべおく。かがむときは両手で乳房をかかえなさい」― とこのようなことが書いてあります。
<中略>
いざ出産となれば、「産婦は痛みをこらえ、人に迷惑をかけてはいけない。忍耐のひとことあるのみ。人が人のお腹からでるだけだから痛いはずはない。痛いなどというのはひきょうである」とあります。
これって変形シムスの体位? なんてことはともかく「迷惑をかけるな」や「忍耐のひとことだ」はまだ理解できるとしても、「痛いはずはない」や「痛いなどというのはひきょうだ」はいくらなんでも言い過ぎだ。と思う。いくらなんでもひきょう呼ばわりはねぇだろ。みたいな。